アトピー性皮膚炎は、アトピー素因と呼ばれる遺伝的な体質を基礎として生じるアレルギー性の皮膚疾患で、その症状は年齢とともに変化し、多くの場合でアレルギー性鼻炎や気管支喘息を伴います。
3歳頃までの「乳幼児期」は、頭・顔・首、そのあと体幹や手足に湿潤傾向の強い痂皮(かさぶた)を伴う炎症が広がっていきます。
10歳頃までの「学童期」は、湿潤傾向が減弱するにつれ乾燥傾向を示すようになり、首や関節の内側を中心に皮膚が堅く厚くなった苔癬化と呼ばれるザラザラした状態となります。
また思春期以降の「成人期」には更に乾燥が進み、苔癬化とともに広範囲にわたる乾いた慢性湿疹の症状を呈するのが特徴です。
鍼灸治療は「アトピー性皮膚炎」の症状である肘や膝の内側、また首や頭・顔・体幹・手足などに生じる痒みや発赤、湿疹・ごわつき・乾燥などに対し、アレルギー抑制作用で症状を緩和するとともに、消炎・抗炎症作用を用いて皮膚の状態を正常なものへと戻していくのです。