膀胱がん

膀胱がんとは

膀胱がんは、膀胱の上皮そのものから発生する悪性の腫瘍で、男女ともに50代以降の発症が多く、その男女比は罹患率・死亡率ともに4:1と男性に多い疾患です。

原因は喫煙や食品添加物、化学物質などが関与していると考えられていますが、今のところ明らかではありません。

症状は多くの場合で膀胱炎を併発するため、血尿・排尿痛・頻尿の他、残尿感や尿の混濁を呈する場合もあり、進行すると尿路の閉塞による腎臓からの痛みである側腹部痛がみられます。

そして、膀胱がんは同時に幾つも多発しやすく再発もしやすいため継続した経過観察が必要です。

鍼灸治療による膀胱がんに対するアプローチ

私たちの体内では、実は健康な人であっても毎日5,000個くらいの「がん細胞」が作られてしまっているのです。

これは細胞再生の際におけるDNAのコピーミスなどによるもので、それらのほとんどは免疫機構により日々排除されています。しかし加齢やストレスなどにより免疫力が弱くなると、それらの「がん細胞」は増殖を繰り返し様々な部位に「がん」を発生させてしまうのです。

「がん細胞」の排除を行う主な担い手はリンパ球を中心とする白血球で、特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は「がん細胞」をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に「がん細胞」を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた「がん細胞」をも攻撃するのです。

そして、その後「がん細胞」を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で「がん細胞」を攻撃することとなります。

最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。

さらに、鍼灸治療はストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果を有するため、免疫系を調節することにより「がん」の発生を抑止し、またその増殖を抑制することが可能となるのです。

それゆえ鍼灸治療は「膀胱がん」の症状である排尿痛や側腹部痛に対し、鍼灸治療の持つ鎮痛作用で癌性疼痛や連関痛を緩和するとともに、止血作用により血尿を、そして排尿障害改善作用により頻尿や残尿感などの症状を軽減します。

膀胱がんの症状

頻尿・排尿痛・尿混濁・血尿・残尿感・側腹部痛 など

膀胱がんの原因

不衛生な環境・化学物質・喫煙 など

膀胱がんの検査

尿検査・尿細胞診・膀胱鏡検査・エコー検査・静脈性尿路造影検査 など

膀胱がんの治療

経尿道的内視鏡下腫瘍切除術・膀胱全摘手術・尿路変更術・化学療法・免疫療法・鍼灸治療 など