帯状疱疹(ヘルペス)

帯状疱疹(ヘルペス)とは

帯状疱疹は、小児期に水痘(みずぼうそう)として感染した水痘・帯状疱疹ウイルスが三叉神経節や脊髄後根神経節に潜伏し、それが過労や病気などにより免疫力が低下した時に再び活性化して頭部や片側の胸背部の肋間に沿った帯状の水疱を生じさせる疾患です。

症状は、患部の違和感とピリピリとした痛みに始まり、数日遅れてその場所に発赤と水疱が生じ、膿疱となり痂皮(かさぶた)を形成するもので、それは2週間程で治癒しますが症状がなくなった後もしばしば瘢痕と神経損傷による痛みを残してしまいます。

また、口唇や性器の周囲などに生じる水疱は単純ヘルペスウイルスによるものであるため、この疾患の原因ウイルスとは異なります。

鍼灸治療による帯状疱疹(ヘルペス)に対するアプローチ

感染症は、ウイルスや細菌などにより引き起こされる疾患で、私たちは白血球を中心とした免疫機構により、それら病原体を攻撃・排除しています。

特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウイルスや細菌をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に病原体を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた病原体をも攻撃するのです。

そしてその後、病原体を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で病原体を攻撃することとなります。

また好中球は細菌やカビなどを殺傷するとともに、リンパ球の一つであるB細胞はヘルパーT細胞の命令を受けて、その病原体(抗原)に対する抗体を産生し、その抗原の働きを止めてしまうのです。

最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。

さらに、鍼灸治療はB細胞による抗体の産生能力を高めるだけでなく、ストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果も有しているため、様々な感染症の治癒を可能とするのです。

それゆえ鍼灸治療は、ヘルペスとも呼ばれる「帯状疱疹」の症状である患部の痛みに対し、鍼灸治療の持つ鎮痛作用で痛みを緩和するとともに、後遺症として残った痛みや感覚障害をも改善するのです。

帯状疱疹(ヘルペス)の症状

片側の神経の走行に沿ったピリピリとした痛み・発赤・水疱・感覚鈍麻 など

帯状疱疹(ヘルペス)の原因

水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化

帯状疱疹(ヘルペス)の検査

ウイルス抗原検査・血清学的検査・生検組織検査 など

帯状疱疹(ヘルペス)の治療

薬物療法・温熱療法・鍼灸治療 など