甲状腺機能低下症は、何らかの原因によって甲状腺ホルモンであるトリヨードサイロニン(T3)およびサイロキシン(T4)の分泌が低下し全身の代謝機能低下をきたす疾患で、先天的に生じ身体と精神の発達遅延をきたすものは「クレチン病」、顔面や四肢の皮膚に硬い浮腫が現れるものは「粘液水腫」と呼ばれます。
原因は、甲状腺自体に異常がある原発性、下垂体や視床下部に病変がある中枢性、末梢において甲状腺ホルモンを受容する機能に異常がみられるホルモン不応性に分けられますが、その大半は原発性のもので、徐脈・脱毛・皮膚の乾燥・活動性の低下・倦怠感・うつ・嗄声・低体温・発汗減少・月経異常など様々な症状がみられます。
鍼灸治療は「甲状腺機能低下症」の症状である脱毛・皮膚の乾燥・徐脈・嗄声・易疲労・倦怠感・活動性の低下・低体温・発汗減少・食欲減退・むくみ・こむら返り・うつ・月経異常などの症状に対し、ホルモン調節機能・発汗調節機能・抗炎症作用・精神安定作用を用いて、種々の症状を緩和するのです。