腸閉塞は、様々な原因により腸の内容物が腸管を移動できなくなった状態で、腸管自身の病変が原因で閉塞が起こる『機械的腸閉塞』および腸管以外の病変などが原因で閉塞が起こる『機能的腸閉塞』に分けられます。また、機械的腸閉塞は腸管の血行障害を伴わない「単純性イレウス」と血行障害を伴う「絞扼性イレウス」の2種に分けられ、機能的腸閉塞は腸管運動が麻痺することによって生じるものであるため「麻痺性イレウス」とも呼ばれます。
症状はその原因によっても異なりますが、腹痛および排便・排ガスの停止、嘔吐、腹部膨満感などが現れ、絞扼性イレウスにおいては腸管壁の壊死を起こすため、緊急手術が必要となります。
鍼灸治療は、イレウスとも呼ばれる「腸閉塞」の症状である腹痛に対し、鍼灸治療の持つ鎮痛作用で痛みを緩和するとともに、整胃整腸作用により嘔吐や腹部膨満感などの症状を軽減し、腸の蠕動運動調整機能により、腸閉塞の再発を抑制するのです。