肝臓がんは、約3:1と男性に多い疾患で肝臓そのものからできる原発性肝がんと、肝臓以外のがんが転移することにより起こる転移性肝がんの2種に分けられます。
そのうち原発性肝がんは、70~80%がC型肝炎ウイルスによる肝硬変や慢性肝炎に起因するもので、それは約9割を占める肝細胞がんと残りの胆管細胞がんからなりますが、その発症のメカニズムは明らかではありません。
そして肝臓がんには特徴的な症状がなく、肝硬変や慢性肝炎に伴う上腹部の不快感や腹部膨満感、また黄疸や体重減少などの症状がみられます。
私たちの体内では、実は健康な人であっても毎日5,000個くらいの「がん細胞」が作られてしまっているのです。
これは細胞再生の際におけるDNAのコピーミスなどによるもので、それらのほとんどは免疫機構により日々排除されています。しかし加齢やストレスなどにより免疫力が弱くなると、それらの「がん細胞」は増殖を繰り返し様々な部位に「がん」を発生させてしまうのです。
「がん細胞」の排除を行う主な担い手はリンパ球を中心とする白血球で、特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は「がん細胞」をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に「がん細胞」を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた「がん細胞」をも攻撃するのです。
そして、その後「がん細胞」を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で「がん細胞」を攻撃することとなります。
最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。
さらに、鍼灸治療はストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果を有するため、免疫系を調節することにより「がん」の発生を抑止し、またその増殖を抑制することが可能となるのです。
それゆえ鍼灸治療は「肝臓がん」の症状である食欲不振を内臓調整機能で改善するとともに、自律神経調整機能により手足のほてりなどの症状を軽減します。