変形性腰椎症は、腰椎の骨増殖や椎間板の変形といった加齢による退行変性を主な原因として腰神経や脊髄が圧迫された結果、腰部から下肢にかけて様々な症状が現れる疾患です。
またこの疾患は、中年以降に好発するものであるため、年齢的にも椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・脊椎すべり症・骨粗鬆症などとも関連性が深く、しばしば合併して症状を悪化させてしまいます。
症状は、腰背部の痛みと臀部・大腿部・下腿後外側部に痛みや痺れが現れる坐骨神経症状が主で、さらに病態が悪化すると下肢の知覚鈍麻や筋力低下に伴う歩行障害なども起こってきます。また、その痛みは体動時に増強し、安静時に軽減する傾向があるのです。
鍼灸治療は「変形性腰椎症」の症状である腰痛・背部痛・臀部痛・下肢痛などの坐骨神経関連の痛みに対し、鎮痛作用で、それらの症状を緩和するとともに、血流改善作用・知覚調整作用などを用いて、下肢の知覚鈍麻や筋力低下などの症状を軽減するのです。