肺がんは、高齢の男性に多く、肺がんのタイプにもよりますが非喫煙者に比べタバコを吸う人の方が肺がんになるリスクが高いと言われています。またアスベストや粉塵などを多く吸い込む職業に従事する人の発症率も高いものとなっています。
肺がんは気管支から発生するがんで、そのタイプは大細胞がん・小細胞がん・扁平上皮がん・腺がんの4つに分類され、その代表的な症状は、咳や痰・胸痛・発熱の他、呼吸困難やむくみ、全身倦怠感なども現れます。
そして肺がんは、リンパ行性・血行性および浸潤性に全身へと転移しやすく、その予後もあまり良いものではありません。
私たちの体内では、実は健康な人であっても毎日5,000個くらいの「がん細胞」が作られてしまっているのです。
これは細胞再生の際におけるDNAのコピーミスなどによるもので、それらのほとんどは免疫機構により日々排除されています。しかし加齢やストレスなどにより免疫力が弱くなると、それらの「がん細胞」は増殖を繰り返し様々な部位に「がん」を発生させてしまうのです。
「がん細胞」の排除を行う主な担い手はリンパ球を中心とする白血球で、特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は「がん細胞」をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に「がん細胞」を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた「がん細胞」をも攻撃するのです。
そして、その後「がん細胞」を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で「がん細胞」を攻撃することとなります。
最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。
さらに、鍼灸治療はストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果を有するため、免疫系を調節することにより「がん」の発生を抑止し、またその増殖を抑制することが可能となるのです。
それゆえ鍼灸治療は「肺がん」の症状である胸痛に対し、鍼灸治療の持つ鎮痛作用で癌性疼痛を緩和するとともに、止血作用により血痰などの症状を軽減します。