乳腺炎は、乳腺やその周辺が何らかの要因により炎症を起こすもので、それは急性乳腺炎と慢性乳腺炎に分けられます。
急性乳腺炎には乳汁が乳管に詰まりうっ滞することによって起こる「急性うっ滞性乳腺炎」と、ブドウ球菌・連鎖球菌・大腸菌などの細菌感染によって起こる「急性化膿性乳腺炎」があり、慢性乳腺炎には急性化膿性乳腺炎が慢性化したものと、授乳期以外に陥没乳頭などを原因として化膿性の炎症が起きるものがあります。
症状は、主に乳房の発赤・腫脹・疼痛・発熱などがみられますが、慢性のものでは乳輪下のしこりを伴い乳頭や乳輪部から排膿を繰り返す「乳輪化膿瘍」も多く見受けられます。
鍼灸治療は「乳腺炎」の症状である乳房の痛みを鎮痛作用で緩和するとともに消炎・抗炎症作用および免疫活性作用を用いて原因となる細菌の活動・増殖を抑止し、発熱・乳房の腫れ・膿性乳汁・血性乳汁・腋窩リンパ節の腫脹などの症状を軽減するのです。