乳腺症は、長期間にわたる性ホルモンの不均衡と関係し起こる乳腺の線維化や嚢胞形成などといった組織の増殖を伴う疾患の総称で、30~45歳くらいの月経不順・不妊・授乳異常などを訴える性熟期女性に多くみられます。
症状は、乳房の上外側1/4の領域にみられる自発痛や圧痛、境界が不明瞭な硬いしこりなどで、乳頭からの異常分泌もみられることがあります。また通常それらの症状は月経前に著しく、月経開始後に軽減する傾向にあり、一部の学者には乳腺症が乳がんの前駆状態であるとする者もいますが、基本的には良性の疾患であるためその関係性については否定的な意見の方が有力です。
鍼灸治療は「乳腺症」の症状である乳房の痛みを鎮痛作用で緩和するとともに、ホルモン調節を用いて乳腺症の増悪を抑制するのです。