梅毒

梅毒とは

梅毒は、細菌の一種であるスピロヘータに属する梅毒トレポネーマの感染による性感染症で、中には母子感染によるものもあります。

症状は第1~4期に分かれ、第1期(感染後3ヵ月まで)には罹患部位に初期硬結が現れ、丘疹が潰瘍となる硬性下疳が生じます。

第2期(感染後3ヵ月~3年)は、発熱・関節痛・リンパ節の腫脹のほか、バラ疹と呼ばれる発疹や全身倦怠・脱毛などが現れます。

第3期(感染後3~10年)は、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生し、第4期(感染後10年以降)には多くの臓器に腫瘍が発生するとともに、脳・脊髄・神経が侵され麻痺性痴呆を起こしますが、適切な治療を行えば予後は悪くありません。

鍼灸治療による梅毒に対するアプローチ

感染症は、ウイルスや細菌などにより引き起こされる疾患で、私たちは白血球を中心とした免疫機構により、それら病原体を攻撃・排除しています。

特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウイルスや細菌をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に病原体を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた病原体をも攻撃するのです。

そしてその後、病原体を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で病原体を攻撃することとなります。

また好中球は細菌やカビなどを殺傷するとともに、リンパ球の一つであるB細胞はヘルパーT細胞の命令を受けて、その病原体(抗原)に対する抗体を産生し、その抗原の働きを止めてしまうのです。

最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。

さらに、鍼灸治療はB細胞による抗体の産生能力を高めるだけでなく、ストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果も有しているため、様々な感染症の治癒を可能とするのです。

それゆえ鍼灸治療は「梅毒」の症状である発熱やリンパ節腫脹などに対し、鍼灸治療の持つ消炎・抗炎症作用で症状を緩和するとともに、鎮痛作用により関節痛を軽減するのです。

梅毒の症状

硬結(しこり)・バラのような発疹・粘膜に発疹・潰瘍・リンパ節腫脹・発熱・関節痛・全身倦怠感・脱毛・神経麻痺 など

梅毒の原因

梅毒トレポネーマ

梅毒の検査

血清学的検査 など

梅毒の治療

薬物療法・鍼灸治療 など