緊張型頭痛は、成人の約4人に1人にみられる慢性の疾患で、頭痛患者全体の約8割を占めています。
この疾患は、少し前まで頭や首の筋肉が過度に収縮することにより発症すると考えられていましたが、現在では筋緊張と直接的な因果関係は無く精神的・身体的ストレスに関連して引き起こされることが解ってきました。しかし筋肉の緊張がこの頭痛に悪影響を及ぼしていることは確かで、他にも眼精疲労・変形性頸椎症・咬合不全・睡眠不足などが悪化させる因子とされています。
症状は両側の後頭部~後頸部にかけて起こる締め付けられるような持続性の鈍痛ですが、脳などに器質的な疾患はみられません。
鍼灸治療は「緊張型頭痛」の症状である後頭部痛・後頸部痛に対し、鎮痛作用で痛みを緩和するとともに、それに伴う頭部圧迫感・頭部絞扼感・頭重感・緊張感・肩こり・不安感などといった症状にも筋緊張緩和作用・血流改善作用・自律神経調節機能・精神安定作用で、それら不快な症状の発生を抑止するのです。