神経麻痺は、末梢神経や脳神経が損傷または障害されることで、筋肉の動きや感覚が低下する状態を指します。
麻痺の部位や原因によって症状は異なり、顔面神経麻痺では顔の片側が動かしにくくなり、橈骨神経麻痺では手首が垂れ下がる「下垂手」が見られます。
原因には外傷、圧迫、感染、糖尿病や自己免疫疾患などがあり、一時的なものから回復に時間がかかるものまでさまざまです。
麻痺があると筋力低下やしびれ、感覚鈍麻が生じ、日常生活に支障をきたします。
診断には神経学的検査や画像検査、電気生理検査などが用いられ、原因に応じた治療が行われます。
鍼灸治療は「神経麻痺」に伴う運動障害や感覚障害に対して、末梢神経の血流改善作用・神経再生促進作用・筋緊張緩和作用・鎮痛作用などを用いて、神経機能の回復を促す働きがあります。
麻痺部位の周囲に鍼刺激を加えることで、局所の血流を増加させ、神経細胞の代謝を活性化し、損傷した神経の修復を助けます。
また、関連する筋肉の過緊張や萎縮に対しては、筋肉の柔軟性を高め、関節の可動域を維持することで、二次的な拘縮や疼痛の予防にもつながります。
さらに、自律神経の調整を通じて全身の回復力を高め、神経麻痺の改善を図っていくのです。
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